法人化・新規許可
個人から法人化したときの古物商許可|
新規許可・個人許可証の返納・営業を始める順番
個人で古物商許可を取り、事業を法人化するとき、個人の許可を会社へ引き継ぐことはできません。法人は個人とは別の主体なので、法人名義の新規許可が必要です。
この記事では、警察庁の解釈運用基準(2026年5月14日)と各県警察の案内をもとに、申請の順番、役員・管理者の書類、個人許可証の返納、営業開始時期、法人化後の確認事項を整理します。(一次資料の確認日:2026年10月30日)
この記事の要点
- 古物営業許可は対人許可で、別の人や会社へ承継できません。
- 個人から法人化するときは、法人名義で新たに許可を受けます。
- 法人申請では、定款・登記事項証明書と、役員全員・管理者の書類をそろえます。
- 法人の許可決定前に、法人として古物営業はできません。
- 個人の古物営業を廃止したときは、事由発生から10日以内に許可証を返納します。
- 法人化後は、標識・URL・台帳などを法人名義で整えます。
個人の許可は、法人に引き継げません
警察庁の解釈運用基準では、吸収合併について、古物営業許可は「対人許可」であるため、消滅会社の許可を存続会社へ承継できないとしています。株式会社の新設分割でも、新会社は分割元とは別法人なので、許可を承継できず、新会社自身の新規許可が必要です。
個人から法人を設立する場合について、同基準に個別の記述は見当たりません。ただし、法人は個人とは別の主体で、許可は対人許可であるため、個人の許可を法人が引き継ぐことはできず、法人名義で新たに許可を受けます。詳しくは変更届、許可取得後にやること、個人と法人の違いをご覧ください。
法人の許可を取る順番
1 法人を設立する
法人の許可申請には、定款と登記事項証明書があります。登記事項証明書は設立登記後に取得できるため、設立登記が済んだ後に許可申請する流れが編集上の目安です。定款の注意点は法人の定款をご覧ください。
解釈運用基準は、株式会社の新設分割の場合に限り、設立中の法人による申請を認めて差し支えないとしています。個人から法人を設立する場合に同じ取扱いがあるかは、案内に書かれていません。管轄警察署に確認してください。
2 役員・管理者の書類をそろえる
法人申請では、役員全員と営業所の管理者について、住民票・誓約書・略歴書・身分証明書を用意します。解釈運用基準の「役員」は、取締役・監査役や持分会社の業務執行社員など、業務執行・監査等の権限を持つ人を指し、登記の有無だけでは決まりません。役員1人ごとの必要書類と、監査役まで含む役員の範囲も確認してください。
- 登記事項証明書に記載のない役員がいる場合は、定款・役員名簿・議事録等で特定します。
- 日本国内に居住していない役員は、外国政府発行の住民票に準ずる書面、身分証明書の写し等を用います。
- 管理者は営業所ごとに選任し、営業所に常勤して管理業務に従事できる状態が必要です。
- 古物商等自らが業務を実質的に統括管理できる場合は、自らを管理者に選任することも許容されます。
誓約書の出し分けは誓約書の書き方、管理者は管理者の要件で確認できます。
3 申請して許可の連絡を待つ
法人の許可にも標準処理期間と手数料がかかります。詳しくは書類不備による審査の遅れと古物商許可の費用をご覧ください。申請書は申請書の書き方と住所・氏名・建物名の書き方で確認できます。
営業を始める時期と、個人の許可証の返納
法人として営業を始める時期
大阪府警察は、申請書類を提出しても、許可決定の連絡を受けるまでは古物商として営業できないと案内しています。法人として営業を始めるのは、法人の許可証を受け取った後です(許可証の受け取り方)。個人の許可で法人の営業をすることもできません。
個人の許可証の返納
古物営業法第8条により、個人の古物営業を廃止したときは、事由の発生から10日以内に、主たる営業所を管轄する警察署長を経由して公安委員会へ許可証を返納します。提出物は許可証と返納理由書(別記様式第9号)です。詳しくは引退・廃業時の許可証の返納をご覧ください。
個人事業を続ける場合は、個人の許可も別に必要です。個人の古物営業を廃止する日と法人の許可証を受け取る日の前後関係は、営業の空白が生じないよう、管轄警察署に相談してください。
法人化したあとの確認事項
| 確認すること | 確認できる記事 |
|---|---|
| 標識を法人の許可証番号で作る | 古物商プレート(標識) |
| 法人名・公安委員会名・許可証番号を表示し、URLを届け出る | 標識・URL届出 |
| 営業所の使用権限を法人名義で整える | 営業所と使用承諾書 |
| 台帳と本人確認を法人名義で整える | 古物台帳・本人確認 |
URLは法人の新規許可申請書に記載します。許可後の義務全体は許可取得後にやることをご覧ください。
法人化を考えている段階の方へ
個人で始めて後から法人化する予定がある場合は、個人と法人の違いとせどりを本業にするならも参考にしてください。事業を引き継ぐ場合は引退・事業承継をご覧ください。
書類の準備を整理するには
法人化では、法人名義の新規許可について、管轄警察署と日程を確認しながら進めることが大切です。古物商許可申請書メーカーは、入力内容をもとに、申請書・誓約書・略歴書などのPDF作成を支援します。必要書類や提出方法は、提出先の警察署の案内も確認してください。
よくある質問
個人の古物商許可を、法人に引き継げますか?
引き継げません。警察庁の解釈運用基準は、古物営業許可を対人許可とし、吸収合併・新設分割でも許可を承継できないとしています。個人から法人化する場合も、法人名義で新たに許可を受けます。
法人の許可は、いつ申請できますか?
法人の許可申請には定款と登記事項証明書が必要なため、設立登記後に申請する流れが編集上の目安です。設立中申請の取扱いは新設分割の場合として示されており、個人から法人を設立する場合は管轄警察署へ確認してください。
個人の許可証は、返納が必要ですか?
個人の古物営業を廃止したときは、古物営業法第8条により、事由の発生から10日以内に許可証を返納します。個人事業を続ける場合は個人の許可も別に必要です。返納時期は管轄警察署に相談してください。
法人の許可が出るまで、法人として営業できますか?
できません。大阪府警察の案内では、許可決定の連絡を受けるまでは古物商として営業できません。個人の許可で法人の営業をすることもできません。
管理者は、誰がなれますか?
管理者は営業所ごとに選任します。古物商等自らが営業所の業務を実質的に統括管理できる場合は、自らを管理者として選任することも許容されています。
法人化したあとの標識やURLは、どうしますか?
標識は法人の許可証番号で作ります。URLは法人の新規許可申請書に記載し、ウェブサイトには法人名称、公安委員会名、許可証番号を表示します。
一次資料・確認日
一次資料の確認日:2026年10月30日
次の進め方
ご事情に合う進め方を選べます。
ご自身で申請書類を作成する方法と、行政書士へ相談する方法のどちらも選べます。
行政書士候補の対応可否や費用は各事務所へご確認ください。
監修者:特定行政書士 竹内 聡貴(たけうち としたか)
タケウチ行政書士事務所 代表。日本行政書士会連合会 登録番号19260966号/大阪府行政書士会 会員番号007757号(旭東支部所属)。特定行政書士として、建設業許可・古物商許可・在留資格(申請取次)・補助金申請など、事業者サポートを中心に幅広い許認可業務に対応。会社員として総務・経理を10年以上経験した実務知識を活かし、法人の実情に即した提案を得意とする。公益社団法人コスモス成年後見サポートセンター会員(No.2603345)。
大阪府大阪市城東区鴫野東1丁目14-19/事務所サイト:https://office.take.osaka.jp/
本ツールは申請書類のPDF作成を支援するもので、許可取得を保証するものではありません。必要書類、様式、窓口運用は変更されることがあるため、提出前に管轄警察署の最新案内を確認してください。