ブランド品・高額品
ブランド品・ハイブランドを扱う古物商の注意点
本人確認と盗品対策

ブランドバッグ、時計、ジュエリーなどのリユース市場は人気がある一方、高額品ゆえに本人確認、盗品、模倣品、取引記録へ慎重な対応が求められます。
「ブランド品」という名称だけで古物区分は決まりません。バッグ、衣類、時計、宝飾品など、扱う商品の性質から時計・宝飾品商など古物13品目の区分を確認します。
ブランド品取引の要点
- 取扱商品に合う古物区分を選びます。
- 古物営業法上の本人確認と取引記録を確実に行います。
- 貴金属等の高額現金取引では犯収法も確認します。
- 真贋は法的義務と混同せず、事業リスクとして管理します。
ブランド名ではなく商品に応じた古物区分を選ぶ
ブランド時計やジュエリーは「時計・宝飾品類」、ブランドバッグや革小物は「皮革・ゴム製品類」、古着は「衣類」など、実際に扱う商品の種類に応じて区分を選びます。複数分野を扱う予定なら、申請時に該当区分を整理してください。
ブランド品だけに必要な別の古物商許可があるわけではありません。既存の許可に取扱区分を追加する場合の手続は管轄警察署へご確認ください。
ブランド品の買取では本人確認を確実に
古物商が古物を買い受ける際は、古物営業法に基づいて相手方の住所、氏名、職業、年齢を確認するのが基本です。高額なブランド品では、本人確認書類と申告された情報の一致、対面・非対面に応じた確認方法を丁寧に確認します。
本人確認義務の有無は取引金額や品目、取引方法で異なり、非対面取引には認められた確認方法が必要です。詳しくは本人確認の基本ルールをご覧ください。
200万円超の現金取引では犯収法の確認も
この基準は、すべてのブランド品取引に一律に適用されるものではありません。金・白金・銀、宝石、これらを用いた時計・ジュエリー等を業として売買する「宝石・貴金属等取扱事業者」が、200万円を超える現金取引を行う場合などは、犯罪収益移転防止法上の取引時確認、確認記録・取引記録の作成保存などが必要となることがあります。
200万円以下に分割していることが明らかな取引は一つの取引とみなされる場合があり、疑わしい取引など別の確認事項もあります。ブランドバッグ一般に金額だけで一律適用されるルールではありません。対象商品、支払方法、売買の方向などにより異なるため、詳細は経済産業省・警察庁の最新案内、専門家、管轄警察署へご確認ください。
高額で換金しやすいブランド品は盗品リスクにも注意
ブランド時計、ジュエリー、バッグなどは高額で換金されやすいため、盗品が持ち込まれるリスクに注意が必要です。相場から不自然に安い、商品説明や入手経路が不自然、刻印やシリアルが加工されているなど、取引状況も確認します。
盗品その他犯罪によって得られた物の疑いがあると認めた場合、古物商は直ちに警察へ申告しなければなりません。判断時の基本は盗品の疑いがあるときの申告義務をご覧ください。
真贋判定は古物営業法上の義務ではなく実務課題
商品が本物か偽物かを判定する「真贋」は、古物営業法が古物商へ直接課している法的義務ではありません。古物営業法上の本人確認、帳簿記録、不正品の申告義務とは区別して考える必要があります。
一方、誤って模倣品を仕入れたり販売したりすれば、返金、信用低下、在庫損失など事業上の問題につながります。そのため、真贋の見極めは事業リスク管理の一環として重要とされています。仕入基準、確認項目、判断に迷う商品の販売停止、記録保存など、自社の取扱分野に合う管理体制を整えます。
偽物と知りながら販売することのリスク
偽物と知りながら販売したり、販売目的で所持したりする行為は、商標法など別の法律に触れるおそれがあるとされています。古物商許可があることは、模倣品の販売を認めるものではありません。
この記事では知的財産権の適否までは扱いません。偽物の疑いが生じた場合は販売を止め、仕入れ記録と商品を保全し、権利関係や対応について専門家・関係機関へご確認ください。
古物台帳には型番・シリアルなど特徴を記録
古物台帳には取引年月日、品目・数量、古物の特徴、相手方の確認事項などを記録します。ブランド品では、ブランド名、モデル名、素材、色、型番、シリアル、刻印、付属品など、後から商品を特定できる情報を残すことが実務上役立ちます。
法令上必要な項目と、事業者がリスク管理のために追加する項目は区別して運用します。詳しくは特徴・型番などを記録する古物台帳の基本をご覧ください。
まとめ
- ブランド名ではなく、時計・宝飾品類、衣類、皮革・ゴム製品類など商品に合う区分を選びます。
- 古物営業法上の本人確認、取引記録、不正品の申告を確実に行います。
- 貴金属・宝石等の200万円超の現金取引などでは、犯収法の確認も必要となる場合があります。
- 真贋判定は古物営業法上の義務ではなく、事業リスク管理上の課題です。
- 偽物と知りながら扱う行為は、商標法など別の法律に触れるおそれがあります。
これから許可を申請する方は古物商許可の取り方もあわせてご覧ください。申請時と取得後に必要となる費用は古物商許可の費用の内訳で確認できます。
よくある質問
ブランド品の買取に特別な許可は必要ですか?
ブランド品専用の古物商許可があるわけではありません。時計・宝飾品類、衣類、皮革・ゴム製品類など、実際に扱う品物に合う古物区分を選びます。判断に迷う場合は管轄警察署へご確認ください。
高額なブランド品を買い取るとき、本人確認は厳しくなりますか?
古物営業法上の本人確認を確実に行います。さらに、貴金属・宝石やその製品を扱う事業者が200万円を超える現金取引を行う場合などは、犯罪収益移転防止法上の取引時確認等が必要となることがあります。対象は取引形態により異なるため、関係機関や専門家へご確認ください。
偽物と気づかず買い取ってしまったらどうなりますか?
真贋判定は古物営業法が直接定める義務ではありませんが、偽物を流通させないための事業上の管理が重要です。疑いが生じた商品は販売を止め、仕入記録を確認し、権利関係や対応は専門家・関係機関へご確認ください。
ブランド品は盗品リスクが高いですか?
高額で換金しやすい商品は盗品として持ち込まれるリスクに注意が必要です。盗品などの疑いがあると認めたときは、直ちに警察へ申告する義務があります。本人確認と取引記録を確実に行ってください。
次の進め方
ご事情に合う進め方を選べます。
ご自身で申請書類を作成する方法と、行政書士へ相談する方法のどちらも選べます。
対応可否や費用は各事務所へご確認ください。
監修者:特定行政書士 竹内 聡貴(たけうち としたか)
タケウチ行政書士事務所 代表。日本行政書士会連合会 登録番号19260966号/大阪府行政書士会 会員番号007757号(旭東支部所属)。特定行政書士として、建設業許可・古物商許可・在留資格・補助金申請など幅広い許認可業務に対応。会社員として総務・経理を10年以上経験した実務知識を活かし、法人の実情に即した提案を得意とする。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。本人確認、犯罪収益移転防止法、盗品・模倣品への対応は、商品、金額、支払方法、取引形態、個別事情により異なります。最新情報は警察庁、経済産業省、管轄警察署および各分野の専門家へご確認ください。