防犯三大義務
古物商の不正品の申告義務と
「品触れ」とは?
古物商には、相手方の確認、帳簿等への記載、不正品の申告という防犯上の基本義務があります。このうち、盗品等の疑いを認めたときの申告と「品触れ」の対応を解説します。
品触れを受けた場合は、到達日の記載・6か月保存・該当品の届出が必要です。取得後の義務全体は古物商許可を取った後にやることもご覧ください。
この記事の要点
- 盗品等の疑いがあると認めたら、直ちに警察官へ申告します。
- 品触れは、警察から古物商等へ発せられる盗品等の通知です。
- 品触れは到達日を記録し、6か月間保存します。
- 不正品申告と品触れでは、罰則の扱いが異なります。
防犯上の3つの基本義務をおさらい
- 相手方の確認:住所・氏名・職業・年齢を法定の方法で確認します。詳しくは古物商の本人確認をご覧ください。
- 帳簿等への記載:対象取引の年月日、品目・数量・特徴、相手方などを記録します。詳しくは古物台帳の書き方をご覧ください。
- 不正品の申告:盗品等の疑いがあると認めたとき、直ちに警察官へ申告します。
これらは盗品等の流通を防ぎ、取引経路を確認できるようにするためにつながっています。
不正品の申告義務とは?
古物営業法第15条第3項では、古物商が古物を買い受け、交換し、または売却・交換の委託を受けようとする場合に、その古物について不正品の疑いがあると認めたときは、直ちに警察官へ申告するよう定めています。
注意の手掛かりには、相場と比べて不自然に安い、本人確認を強く避ける、同種品を不自然に大量に持ち込む、製造番号が削られている、説明と品物の状態が合わないといった事情があります。ただし、特定の事情だけで盗品と決めつけず、取引全体から判断します。
営業所の古物商許可の管理者には、取り扱う古物が不正品であるかを判断するために必要な知識・技術・経験を得るよう努める役割があります。不審点を従業員だけで抱え込まず、管理者へ共有する流れを決めておきましょう。
「品触れ(しなぶれ)」とは?
品触れは、警視総監・道府県警察本部長または警察署長が、盗品その他の財産犯罪によって得られた物の品名や特徴などを記載し、古物商または古物市場主へ発する通知です。古物市場へ盗品等が流入するのを防ぎ、早期発見につなげます。
書面だけでなく、情報通信技術を利用する方法で届く場合もあります。受信担当者、確認頻度、保存先を決め、見落とさない運用が必要です。
品触れを受けたときの対応
1.到達日を記載・記録する
書面による品触れを受けたら、その書面に到達した日付を記載します。電子的に受けた場合も、到達日が分かる状態で記録を管理します。
2.到達日から6か月間保存する
書面または電磁的記録を、到達の日から6か月間保存します。該当品を現在扱っていない場合でも、品触れ自体の保存義務は変わりません。
3.該当品を所持・受領したら直ちに届け出る
品触れに記載された古物を所持している場合、または品触れを受けた後にその古物を受け取った場合は、直ちに警察官へ届け出ます。判断に迷うときは、自店だけで結論を出さず、品触れを発した警察または管轄警察署へ確認してください。
過去の取引や在庫との照合には、正確な古物台帳が役立ちます。
不正品申告と品触れでは罰則の扱いが違う
不正品の申告義務:古物営業法第15条第3項の義務自体について、直接対応する罰則規定は見当たりません。ただし、義務違反の状況によっては指示など行政上の措置につながる可能性があります。
品触れの義務:到達日を記載しない、虚偽の日付を記載する、6か月保存しない、該当品を届け出ないといった違反は、古物営業法第33条により、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となる場合があります。
両者を混同せず、不審な取引の申告と、品触れを受けた後の保存・照合・届出を別々に手順化しておくことが大切です。
日頃の備えで落ち着いて対応できる
- 不審点の共有:従業員が気づいたら管理者へすぐ連絡するルールを作ります。
- 台帳と在庫の整備:品触れの特徴や製造番号と照合できるよう記録します。
- 品触れの受付担当:郵便・メール等を確認する人と代行者を決めます。
- 6か月保存:到達日順に保管し、保存期限が分かるようにします。
- 警察の連絡先:迷ったときの相談先を営業所内で共有します。
特別な仕組みを用意するより、日々の本人確認・台帳・在庫管理を丁寧に続けることが、いざというときの対応につながります。
まとめ
- 盗品等の疑いがあると認めたときは、直ちに警察官へ申告します。
- 品触れは、警察から古物商等へ発せられる盗品等の品名・特徴に関する通知です。
- 書面には到達日を記載し、書面・電磁的記録とも到達日から6か月保存します。
- 該当品を所持または受領した場合は、直ちに警察官へ届け出ます。
- 不正品申告義務自体と、品触れの保存・届出義務では罰則の扱いが異なります。
- 本人確認、古物台帳、品触れ受付の社内手順を日頃から整えておきます。
よくある質問
古物商の「品触れ」とは何ですか?
警察本部長等が、盗品等の品名や特徴を記して古物商・古物市場主へ発する通知です。書面または情報通信技術を利用する方法で届き、受けた側には保存や該当品の届出義務があります。
品触れは何年(何か月)保存しますか?
書面で受けた品触れには到達日を記載し、その日から6か月間保存します。電子的に受けた場合も、その電磁的記録を到達日から6か月間保存します。
不正品の申告義務を怠ると罰則がありますか?
古物営業法第15条第3項の不正品申告義務自体には、直接対応する罰則規定は見当たりません。一方、品触れの到達日記載・保存や該当品の届出に違反すると、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となる場合があります。
どんなときに盗品の疑いを持つべきですか?
相場に比べて不自然に安い、本人確認を強く避ける、同じ品を不自然に大量に持ち込む、製造番号が削られているなどの事情は確認の手掛かりになります。盗品等の疑いがあると認めたときは、直ちに警察官へ申告します。
次の進め方
ご事情に合う進め方を選べます。
許可申請と取得後の義務を確認し、ご自身で申請書類を作成する方法と、行政書士へ相談する方法のどちらも選べます。
行政書士候補の対応可否や費用は、各事務所へご確認ください。
監修者:特定行政書士 竹内 聡貴(たけうち としたか)
タケウチ行政書士事務所 代表。日本行政書士会連合会 登録番号19260966号/大阪府行政書士会 会員番号007757号(旭東支部所属)。特定行政書士(不服申立ての代理権を持つ行政書士)として、建設業許可・古物商許可・在留資格(申請取次)・補助金申請など、事業者サポートを中心に幅広い許認可業務に対応。会社員として総務・経理を10年以上経験した実務知識を活かし、法人の実情に即した提案を得意とする。公益社団法人コスモス成年後見サポートセンター会員(No.2603345)。
大阪府大阪市城東区鴫野東1丁目14-19/事務所サイト:https://office.take.osaka.jp/
本ツールは申請書の作成を支援するもので、行政書士による申請代理や許可取得を保証するものではありません。不正品の申告や品触れへの具体的な対応は、品触れを発した警察または管轄警察署へご確認ください。