家電・ゲーム機
家電・ゲーム機を扱う古物商の注意点
本人確認・記帳のルール

家電やゲーム機はリサイクルショップの主力商材ですが、「ゲームは少額でも本人確認が必要」という情報から、ゲームソフトとゲーム機本体を混同しやすい分野です。
本記事では、1万円未満の取引、令和7年10月の規則改正、複数商品の合計額という実務上のポイントを整理します。家電は電機類として「機械工具類」、ゲーム機本体は商品の性質に応じた区分が検討されるため、詳しくは古物13品目の区分と管轄警察署の案内をご確認ください。
最初に押さえたい違い
- ゲームソフトは1万円未満でも本人確認・記帳が必要です。
- ゲーム機本体は少額例外品目ではなく、対価総額1万円未満なら原則不要です。
- 1万円基準は一回の取引で持ち込まれた古物の合計額で判断します。
- 家電一般は令和7年10月改正の追加品目ではありません。
家電は「機械工具類」など商品に合う区分を確認
冷蔵庫、洗濯機、テレビなどの家電製品は、電機類として一般に「機械工具類」との関係で整理されます。パソコンやタブレットは「事務機器類」が検討されるなど、同じ売場の商品でも区分が異なる場合があります。
ゲーム機本体や周辺機器も、機器の性質によって区分を確認します。取扱予定の商品一覧を示し、申請前に管轄警察署へ確認すると確実です。許可申請全体の流れは古物商許可を自分で取る方法をご覧ください。
【重要】ゲームソフトとゲーム機本体は扱いが違う
古物の買受けでは、対価の総額が1万円未満であれば、原則として相手方の本人確認と帳簿等への記載が免除されます。ただし、盗品流入などへの対策から、金額にかかわらず免除されない品目があります。
ゲームソフトは、この少額取引の例外品目です。家庭用ゲーム機やパソコン等で使用するゲームプログラムを記録したソフトは、買取額が1万円未満でも本人確認・記帳が必要です。
一方、ゲーム機本体(ハード)は例外品目のリストに含まれていません。本体だけの取引で対価の総額が1万円未満なら、原則として本人確認・記帳は不要です。「ゲーム」という言葉だけで一括りにせず、ソフトか本体かを区別してください。個別の取引判断は管轄警察署へご確認ください。
令和7年10月改正の対象は家電一般ではない
令和7年(2025年)10月1日施行の改正により、金額にかかわらず本人確認・記帳が必要となる品目へ、次の4品目が追加されました。
- 電線
- エアコンの室外機
- 電気温水器のヒートポンプ
- グレーチング(コンクリート製を除く)
家電一般やゲーム機が一括して改正対象になったわけではありません。ただし、リサイクルショップでエアコン室外機など対象品を買い取る場合は、1万円未満でも本人確認・記帳が必要です。
「対価の総額」は一回の取引の合計額で判定
1万円未満かどうかは、商品一つずつの買取単価ではなく、一度に持ち込まれた古物すべての対価を合計した金額で判断します。
例:スマートフォン6,000円とタブレット8,000円を同じ人から同時に買い取る場合、個別には1万円未満でも合計は14,000円です。この取引は対価の総額が1万円以上となるため、本人確認と帳簿等への記載が必要です。
相手方が別々の機会に持ち込んだ場合などは扱いが異なりますが、正当な理由のない不自然な分割には注意が必要です。消費税の扱いを含む具体的な判断は管轄警察署へご確認ください。
本人確認は品目・金額・取引方法を確認する
本人確認が必要な取引では、相手方の住所、氏名、職業、年齢を確認します。店頭買取と、宅配・オンラインなどの非対面取引では認められる確認方法が異なります。詳しくは本人確認の基本と非対面取引の注意点をご覧ください。
ゲームソフトを少額で買い取る場合、対象品として追加されたエアコン室外機等を買い取る場合、一般品目でも一回の対価総額が1万円以上となる場合など、どの理由で確認義務が生じるのかをスタッフ間で共有すると運用しやすくなります。
台帳には型番・製造番号などの特徴を記載
記帳対象となる取引では、取引年月日、品目・数量、古物の特徴、相手方の住所・氏名等を帳簿または電磁的方法で記録します。家電・ゲーム機ではメーカー、商品名、型番、色、製造番号、付属品など、個体を特定しやすい情報を特徴欄へ残すと実務上有用です。
法令上の記載事項、保存期間、電子データで管理する場合の注意点は古物台帳の基本ルールをご確認ください。
家電にはPSEなど別法令が関わる場合も
家電の販売では、古物営業法とは別に、商品によって電気用品安全法上のPSEマークなどの表示・販売上の確認が関わる場合があります。古物商許可があれば、表示のない電気用品を自由に販売できるという意味ではありません。
本記事では電気用品安全法の対象判定や手続までは扱いません。販売予定の商品が対象となるか、必要な表示や対応については、経済産業省の最新案内や専門家へご確認ください。
まとめ
- ゲームソフトは1万円未満でも本人確認・記帳が必要ですが、ゲーム機本体は少額例外品目ではありません。
- 令和7年10月に追加されたのは、電線、エアコン室外機、電気温水器のヒートポンプ、コンクリート製を除くグレーチングです。
- 対価の総額は、一回の取引で持ち込まれた古物すべての合計額で判定します。
- 本人確認と台帳記載は、品目・取引合計額・取引方法を確認して運用します。
- 家電では、古物営業法とは別にPSE等が関係する場合があります。
許可申請と取得後の標識・台帳などにかかる費用は、古物商許可の費用の内訳で確認できます。
よくある質問
ゲーム機本体も1万円未満なら本人確認は不要ですか?
ゲーム機本体は、1万円未満でも本人確認・記帳を省略できない例外品目には含まれていないため、対価の総額が1万円未満なら原則として不要です。ゲームソフトは金額にかかわらず対象となるため、本体とソフトを区別してください。個別の取引は管轄警察署へご確認ください。
複数の家電を同時に買い取るとき、1万円未満の判定はどうしますか?
個々の商品の単価ではなく、一度に持ち込まれた古物すべての対価を合計して判定します。たとえば6,000円のスマートフォンと8,000円のタブレットを同時に買い取る場合は合計14,000円となり、本人確認・記帳が必要です。
家電は令和7年10月の改正対象ですか?
家電一般やゲーム機が一括して改正対象になったわけではありません。追加されたのは、電線、エアコンの室外機、電気温水器のヒートポンプ、コンクリート製を除くグレーチングです。該当品は金額にかかわらず本人確認・記帳の対象となります。
家電を扱うのに他に気をつけることはありますか?
古物営業法とは別に、商品によっては電気用品安全法に基づくPSEマークなどの表示や販売上の確認が関係します。対象製品や必要な対応は、経済産業省の最新案内や専門家へご確認ください。
次の進め方
ご事情に合う進め方を選べます。
ご自身で申請書類を作成する方法と、行政書士へ相談する方法のどちらも選べます。
対応可否や費用は各事務所へご確認ください。
監修者:特定行政書士 竹内 聡貴(たけうち としたか)
タケウチ行政書士事務所 代表。日本行政書士会連合会 登録番号19260966号/大阪府行政書士会 会員番号007757号(旭東支部所属)。特定行政書士として、建設業許可・古物商許可・在留資格・補助金申請など幅広い許認可業務に対応。会社員として総務・経理を10年以上経験した実務知識を活かし、法人の実情に即した提案を得意とする。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。本人確認・記帳義務、古物区分、電気用品安全法上の対応は、商品、取引金額、取引方法、個別事情により異なります。最新情報は警察庁、経済産業省および管轄警察署へご確認ください。