行商・仮設店舗
古物商の「行商」とは?
買取できる場所・行商従業者証・仮設店舗
出張買取、古物市場への参加、催事出店など、営業所以外で古物営業を行う場合に関係するのが「行商」です。
「行商する」としていても、一般の方から買取品を受け取れる場所は限定されています。行商の範囲、携帯証明、仮設店舗の届出を整理します。
この記事の要点
- 営業所以外で古物営業を行う場合は行商に当たることがあります。
- 一般の方から古物を受け取れる場所には制限があります。
- 本人は許可証、従業員は行商従業者証を携帯します。
- 仮設店舗は営業日の3日前までに届け出ます。
古物商の「行商」とは?
行商とは、古物商が営業所以外の場所で古物営業を行うことです。申請書・許可証では「行商をしようとする者であるかどうか」を届けます。
代表例には、相手方の自宅を訪問する出張買取、古物市場やオークション会場での取引、催事場の仮設店舗などがあります。古物商同士が取引する古物市場とはも参考にしてください。
ネット上で注文や申込みを受けるだけで直ちに行商になるとは限りません。品物を受け取る場所、対面取引の場所、古物市場への参加など、実際の営業方法から判断します。
【最重要】行商でも古物を受け取れる場所は限られる
「行商する」としていても、どこでも一般の方から買取品を受け取れるわけではありません。古物営業法第14条により、古物商以外の相手から、買受け・交換・委託を受けるために古物を受け取れる場所は、原則として次の場所に限られます。
- 古物商自身の営業所
- 取引相手の住所または居所
- 事前に届け出た仮設店舗
そのため、相手方の自宅へ訪問する出張買取はできますが、カフェ、ファミリーレストラン、公園、路上など、任意に決めた場所で一般の方から品物を受け取ることはできません。
相手方宅での出張買取でも、対象取引では住所・氏名・職業・年齢を確認します。詳しくは古物商の本人確認をご覧ください。訪問購入に該当する場合は、特定商取引法上の規制も別途確認が必要です。
催事・イベントでは仮設店舗営業届出を行う
百貨店の催事場、イベント会場のブース、一定場所に設ける車両・屋台など、営業所以外に一時的な店舗を設ける場合は「仮設店舗」に該当することがあります。
仮設店舗で古物を買い受けるには、次の準備が必要です。
- 許可上「行商する」としていること
- 仮設店舗で営業する日の3日前までに日時・場所を届け出ること
- 日時、施設内の階・区画など、営業場所を具体的に特定すること
- 仮設店舗に標識を掲示すること
- 古物商本人は許可証、従業員は行商従業者証を携帯すること
届出先は原則として仮設店舗の場所を管轄する警察署です。警察行政手続サイトからオンライン届出できる場合もありますが、期限までに正しい提出先へ到達する必要があります。詳しくは管轄警察署へご確認ください。
届出なしで営業所・相手方住所等以外の場所において古物を受け取ると、罰則の対象となるおそれがあります。仮設店舗に掲示する古物商プレート(標識)も事前に用意しましょう。
行商時は許可証・行商従業者証を携帯する
古物商またはその従業員が行商するときは、身分と許可関係を示す証票を携帯します。
- 許可を受けた古物商本人:許可証
- 代理人・使用人などの従業員:行商従業者証
取引の相手方から提示を求められた場合は提示します。スマートフォンに保存した写真やコピーだけではなく、許可証または行商従業者証そのものを携帯してください。
従業員が古物市場や中古車オークション会場などへ出向いて取引する場合も、行商従業者証の携帯が必要になることがあります。具体的な活動内容を管轄警察署へ伝えて確認すると確実です。
行商従業者証はどう用意する?
行商従業者証は、古物営業法施行規則の別記様式第12号に、サイズ、材質、写真、記載事項などが定められています。古物商が行商をさせる従業員に交付します。
防犯協会などを通じて用意する方法や、所定様式に従って作成する方法があります。任意の社員証では代用できません。写真や記載内容、耐久性などの詳細は、現行様式と管轄警察署の案内をご確認ください。
「行商する・しない」で迷ったら
出張買取、古物市場、オークション会場、催事への出店など、営業所以外で活動する可能性があるなら、「行商する」を選択する方法があります。将来の営業方法を含めて判断しましょう。
一方、ネット取引だけで一律に「行商する」が必要とは限りません。受取場所や仕入方法を整理し、判断に迷う場合は申請前に管轄警察署へ確認してください。許可取得後に「行商する・しない」を変える場合は、古物商許可の変更届が必要です。
まとめ
- 行商は、古物商が営業所以外の場所で古物営業を行うことです。
- 一般の方から買取品を受け取れるのは、自らの営業所、相手方の住所・居所、届出済みの仮設店舗です。
- 仮設店舗の営業は3日前までに日時・場所を届け出ます。
- 行商時は、古物商本人が許可証、従業員が行商従業者証を携帯します。
- 行商従業者証は所定様式で作成し、求められたら提示します。
- 取得後の運用全体は古物商許可を取った後にやることもご覧ください。
よくある質問
「行商する」にすればどこでも買い取れますか?
いいえ。古物商以外の相手から買受け等のために古物を受け取れる場所は、自らの営業所、相手方の住所・居所、または事前届出をした仮設店舗に限られます。カフェや路上など任意の場所で品物を受け取ることはできません。
催事・イベントで買取をするには何が必要ですか?
「行商する」としている古物商が、営業日の3日前までに仮設店舗の日時・場所を届け出ます。仮設店舗では標識を掲示し、本人は許可証、従業員は行商従業者証を携帯します。提出先と期限は管轄警察署へご確認ください。
従業員に出張買取をさせるには何が必要ですか?
行商を行う従業員には、古物営業法施行規則所定の行商従業者証を携帯させます。取引の相手方から求められた場合は提示しなければなりません。画像ではなく証票そのものを携帯します。
ネットだけで取引する場合も「行商する」にすべきですか?
ネット取引だけで直ちに行商になるとは限りません。ただし、出張買取、古物市場、オークション会場、催事など営業所外で活動する可能性があるなら「行商する」を選ぶ方法があります。後から変更届で変更することもできます。
次の進め方
ご事情に合う進め方を選べます。
営業方法と許可申請を確認し、ご自身で申請書類を作成する方法と、行政書士へ相談する方法のどちらも選べます。
行政書士候補の対応可否や費用は、各事務所へご確認ください。
監修者:特定行政書士 竹内 聡貴(たけうち としたか)
タケウチ行政書士事務所 代表。日本行政書士会連合会 登録番号19260966号/大阪府行政書士会 会員番号007757号(旭東支部所属)。特定行政書士(不服申立ての代理権を持つ行政書士)として、建設業許可・古物商許可・在留資格(申請取次)・補助金申請など、事業者サポートを中心に幅広い許認可業務に対応。会社員として総務・経理を10年以上経験した実務知識を活かし、法人の実情に即した提案を得意とする。公益社団法人コスモス成年後見サポートセンター会員(No.2603345)。
大阪府大阪市城東区鴫野東1丁目14-19/事務所サイト:https://office.take.osaka.jp/
本ツールは申請書の作成を支援するもので、行政書士による申請代理や許可取得を保証するものではありません。行商・仮設店舗の届出、受取場所、携帯証明は、最新の法令と管轄警察署の案内をご確認ください。