質屋・古物商

質屋営業と古物商の違いとは?
必要な許可・質流れ・買取

質屋営業と古物商の違い、質流れと買取を解説するOGP画像

質屋も中古品の買取店も、「品物を持ち込んでお金を受け取る」という点では似ています。しかし、根拠となる法律も必要な許可も別物です。

質屋は「品物を預けてお金を借りる」営業、古物商は「品物を売って買い取ってもらう」営業です。両者の違いと、事業内容ごとに必要となる許可を整理します。

この記事の要点

  • 質屋営業と古物商は、根拠法も許可も別です。
  • 質屋は物品を質に取って金銭を貸し、古物商は中古品を売買します。
  • 買取だけなら古物商、質預かりなら質屋営業の許可が必要です。
  • 質預かりと買取の両方を行うなら、両方の許可が必要です。

質屋営業と古物商は根拠法・許可が別

質屋営業と古物商では、よりどころとなる法律と必要な許可が異なります。

  • 質屋営業:質屋営業法にもとづく質屋営業許可
  • 古物商:古物営業法にもとづく古物商許可

どちらも都道府県公安委員会の許可で、通常は営業所を管轄する警察署が窓口になります。ただし、一方の許可を得れば他方の営業もできるという関係ではありません。

最大の違いは「質預かり」か「売買」か

質屋は品物を質に取って金銭を貸す

質屋は、物品を質として預かり、その担保の範囲で金銭を貸す営業です。質置主が期限までに元金と質料を支払えば、預けた品物を受け戻せます。

古物商は中古品を買い取り、または販売する

古物商の買取は中古品の売買です。売買が成立すると、品物の所有権は古物商へ移ります。質預かりのように、後から元金などを支払えば品物が戻るという仕組みではありません。

「質流れ」とは?流質期限は原則3か月以上

質契約で定めた期限までに受け戻しがなければ「質流れ」となり、質物の所有権は質屋へ移ります。質置主は、質物を手放すことで、その質契約にもとづく元金・質料の返済義務を負わない仕組みです。

質屋営業法では、流質期限は質契約の成立日から3か月未満にできないとされています。契約内容や受戻しについての個別助言はこの記事の範囲外です。実際の営業設計は、管轄警察署や関係する専門家へ確認してください。

質料は年109.5%・月9%が上限とされる

質屋営業法には質料に関する特則があり、暦年で年109.5%、暦月で月9%までの範囲が定められています。これは上限に関する制度情報であり、その利率での営業を推奨するものではありません。

質料には利息のほか、保管料など名称を問わず質契約にもとづき受け取る金銭が含まれます。具体的な利率設定や融資方法については、本記事では扱いません。古物商の買取は売買なので、質料・金利という概念はありません。

本人確認・帳簿・標識・不正品申告は共通

取引の性質は異なりますが、盗品等の流通防止という観点から、質屋と古物商には共通する義務があります。

  • 公安委員会の許可を受ける
  • 取引相手の住所・氏名・職業・年齢を確認する
  • 取引内容を帳簿へ記録する
  • 営業所に所定の標識・表示を掲示する
  • 不正品の疑いがあるときに警察官へ申告する

具体的な確認方法は取引や法令によって異なります。古物商については本人確認の方法古物台帳の記録義務をご覧ください。質屋は質屋営業法にもとづく帳簿を備えます。

買取だけ・質預かり・両方で必要な許可が変わる

  • 中古品を買い取って販売するだけ:古物商許可
  • 金銭を貸して物品を質に取る:質屋営業許可
  • 質預かりと中古品買取の両方:質屋営業許可と古物商許可の両方

中古品の売買に古物商許可が必要となる範囲は、買取に古物商許可が必要かで解説しています。質屋営業では、許可申請に加えて質物を保管する設備の基準なども確認されます。

事業者が「買取」と呼んでいても、実際の契約内容が質預かりなら判断は変わります。具体的な事業形態で必要となる許可は、営業開始前に管轄警察署へ確認してください。なお、当サイトの申請書メーカーは古物商許可向けであり、質屋営業許可は対象外です。

まとめ

  • 質屋営業は質屋営業法、古物商は古物営業法にもとづく別の許可です。
  • 質屋は物品を質に取って金銭を貸し、古物商は中古品を売買します。
  • 期限までに受戻しがなければ質流れとなり、流質期限は原則3か月以上です。
  • 本人確認、帳簿、標識、不正品申告などは両方に共通します。
  • 買取だけなら古物商、質預かりなら質屋営業、両方を行うなら両方の許可が必要です。
  • 買取事業を始める方は古物商許可を自分で取る方法もご覧ください。

よくある質問

質屋と古物商(買取店)は何が違いますか?

質屋は品物を担保にお金を貸し、返済がなければ質流れで所有権が移る営業で、質屋営業法にもとづく質屋営業許可が必要です。古物商は中古品を売買する営業で、古物営業法にもとづく古物商許可が必要です。根拠法も許可も別物です。

中古品の買取だけをするなら、どの許可が必要ですか?

中古品を買い取って販売するだけであれば、古物商許可があれば足りるとされています。お金を貸して品物を質に取る(質流れの仕組みで営業する)場合は、別途、質屋営業許可が必要です。

質屋をやるのに古物商許可も必要ですか?

質預かりに加えて中古品の買取も行う場合は、質屋営業許可に加えて古物商許可も必要とされています。多くの質屋は両方の許可を持って営業しています。

質屋と古物商で共通する義務はありますか?

どちらも公安委員会の許可が必要で、相手方の本人確認、帳簿への記録、標識・表示の掲示、不正品があるときの申告といった義務が共通して課されているとされています。

次の進め方

古物商許可について進め方を選べます。

中古品の買取を始める場合は、ご自身で古物商許可の申請書類を作成する方法と、行政書士へ相談する方法のどちらも選べます。

ご自身で申請する

入力フォームに沿って、古物商許可の申請書類PDFを作成できます。

申請書を作る

行政書士に相談する

古物商許可の申請や必要書類について、地域や希望する対応内容から候補を確認できます。

条件に合う行政書士候補を確認する

行政書士候補の対応可否や費用は、各事務所へご確認ください。質屋営業許可は当サイトのツール対象外です。

監修者:特定行政書士 竹内 聡貴(たけうち としたか)

タケウチ行政書士事務所 代表。日本行政書士会連合会 登録番号19260966号/大阪府行政書士会 会員番号007757号(旭東支部所属)。特定行政書士(不服申立ての代理権を持つ行政書士)として、建設業許可・古物商許可・在留資格(申請取次)・補助金申請など、事業者サポートを中心に幅広い許認可業務に対応。会社員として総務・経理を10年以上経験した実務知識を活かし、法人の実情に即した提案を得意とする。公益社団法人コスモス成年後見サポートセンター会員(No.2603345)。

大阪府大阪市城東区鴫野東1丁目14-19/事務所サイト:https://office.take.osaka.jp/

本ツールは申請書の作成を支援するもので、行政書士による申請代理や許可取得を保証するものではありません。本記事は許可制度の一般的な比較であり、融資や契約に関する助言ではありません。具体的な営業形態で必要となる許可は、最新の法令と管轄警察署の案内をご確認ください。