相続・廃業
古物商が亡くなったら
許可はどうなる?
個人名義の古物商許可は、許可を受けた本人が亡くなると、相続人がそのまま引き継いで使うことはできません。営業を続ける場合、続けない場合、法人の代表者が亡くなった場合に分けて、必要な対応を整理します。
この記事の要点
- 個人の古物商許可に、相続人への承継制度は設けられていません。
- 相続人が古物営業を続ける場合は、自身の名義で新たな許可を受けます。
- 死亡または廃業の際は、返納理由書と許可証を管轄警察署へ提出します。
- 法人が許可を受けている場合は、法人の存続と代表者等の変更手続きを確認します。
最初に管轄警察署へ確認してください
死亡後の返納と新規申請は別の手続きです。許可証番号と現在の状況を整理し、主たる営業所を管轄する警察署へ早めに相談してください。
目次
結論:個人の古物商許可はそのまま相続できません
古物商許可は、申請者の欠格事由、営業所、管理者などを審査して、個人または法人に与えられる許可です。個人が受けた許可は本人に帰属するため、家族や相続人へ名義を書き換えて承継する制度は、現行の古物営業法には設けられていません。
したがって、亡くなった方の許可証を使い、相続人がそのまま古物営業を続けることはできません。中古品を仕入れて反復継続して販売するなど、相続人が古物営業を事業として行う場合は、営業開始前に相続人自身が新規許可を受ける必要があります。そもそも予定している取引に許可が必要か迷う場合は、古物商許可は必要?いらない?も確認してください。
古物商が亡くなったとき、まず行うこと
古物営業法第8条は、許可を受けた個人が死亡した場合、許可証を所持する方に返納を求めています。警察の案内では、返納理由書に死亡日や許可証番号などを記載し、許可証とともに主たる営業所を管轄する警察署へ提出します。
返納は「遅滞なく」行う手続きで、警察の実務案内では死亡等の理由が生じてから10日以内とされています。許可証が見つからない、営業所が複数ある、誰が手続きを行うか分からない場合も、放置せず管轄警察署へ事情を説明しましょう。
相続人が営業を続けるのか、在庫を整理して終了するのかも区別します。許可証の返納と、相続人の新規申請はそれぞれ必要性を確認します。
相続人が事業を引き継ぎたい場合
相続人が古物の仕入れと販売を続ける場合は、自身を申請者として新規許可を申請します。申請書、住民票の写し、身分証明書、略歴書、誓約書などを準備し、営業所と管理者の要件も改めて確認します。一般的な流れは、古物商許可を自分で取る方法【必要書類と手順】で整理しています。
申請中は故人の許可で営業を続けられる猶予期間ではありません。許可前の在庫処分、受注、ウェブサイト表示などの扱いを警察署へ確認してください。相続した私物の売却と、仕入れを伴う事業の継続では許可の判断が異なり得ます。
事業を引き継がず廃業する場合
相続人が営業を続けない場合は、返納理由書と故人の許可証を提出します。生前に本人が古物営業を廃止した場合も、許可証返納の対象です。返納に必要な書類、提出者の本人確認書類、許可証を紛失した場合の対応は、管轄警察署へ確認してください。
帳簿、契約、未処理の取引、ウェブサイト、標識や在庫の整理も確認します。許可取得後の届出や返納については、古物商許可を取った後にやること【古物台帳・プレート・変更届】も参考にしてください。
法人が許可を受けている場合
法人名義で許可を受けている場合、許可の主体は代表者個人ではなく法人です。そのため、代表者が亡くなっても法人が存続する限り、個人許可の死亡と同じ返納手続きになるわけではありません。新たな代表者の選任、登記、古物商許可証の書換申請・変更届などを進めます。
代表者の交替など事後の変更は、原則14日以内、登記事項証明書を添付する場合は20日以内と案内されています。役員や管理者も変わる場合は追加書類が必要になり得ます。古物商許可の個人と法人の違いと取得後の変更手続きを確認し、法人の存続状況を含めて警察署へ相談してください。
よくある質問
父が古物商でした。その許可を使って営業を続けられますか?
個人名義の許可を相続人がそのまま使うことはできません。古物営業を事業として続ける場合は、相続人自身の名義で新たな許可を受け、営業開始前に管轄警察署へ確認してください。
相続人が古物商許可を取り直す場合、何が必要ですか?
申請書のほか、住民票の写し、身分証明書、略歴書、誓約書などが一般に必要です。営業所や管理者の要件も確認し、申請先の警察署から最新の案内を受けてください。
法人の代表者が亡くなった場合、古物商許可はどうなりますか?
許可を受けた法人が存続する限り、代表者個人の死亡だけで法人の許可が終了するわけではありません。新代表者の選任後、代表者の交替等について期限内に変更届・書換申請を行います。
廃業後に許可証を返納しないとどうなりますか?
廃業や許可を受けた個人の死亡など所定の理由が生じた場合、許可証の返納が必要です。返納が遅れているときは、許可証を保管している方から管轄警察署へ速やかに相談してください。
次の進め方
ご事情に合う進め方を選べます。
新たな許可が必要な場合は、ご自身で申請書を作成する方法と、相続後の事業継続を含めて行政書士へ相談する方法のどちらも選べます。
行政書士候補の対応可否や費用は、各事務所へご確認ください。
この記事の結論
個人名義の古物商許可は、相続人がそのまま承継することはできません。相続人が古物営業を続ける場合は自身の新規許可を受け、続けない場合は故人の許可証を返納します。
法人名義の許可は、法人の存続を前提に代表者等の変更手続きを確認します。いずれも期限や必要書類があるため、許可証と現状を整理し、早めに管轄警察署へ相談しましょう。
参考情報
監修者:特定行政書士 竹内 聡貴(たけうち としたか)
タケウチ行政書士事務所 代表。日本行政書士会連合会 登録番号19260966号/大阪府行政書士会 会員番号007757号(旭東支部所属)。特定行政書士(不服申立ての代理権を持つ行政書士)として、建設業許可・古物商許可・在留資格(申請取次)・補助金申請など、事業者サポートを中心に幅広い許認可業務に対応。会社員として総務・経理を10年以上経験した実務知識を活かし、法人の実情に即した提案を得意とする。公益社団法人コスモス成年後見サポートセンター会員(No.2603345)。
大阪府大阪市城東区鴫野東1丁目14-19/事務所サイト:https://office.take.osaka.jp/
本ツールは申請書の作成を支援するもので、行政書士による申請代理や許可取得を保証するものではありません。相続後の営業、許可証返納、法人の代表者変更に必要な手続きは、管轄警察署へ確認してください。