許可後の営業開始・休止

古物商許可は6か月以内に営業を始めないと取り消される?
第6条の取消事由と営業休止の考え方

古物商許可の6か月以内の営業開始と営業休止を解説するOGP画像

古物商許可を取ったものの、準備が遅れてまだ営業を始めていない。あるいは、副業や家庭の事情で長く休んでいる。そのようなときに注意したいのが、古物営業法第6条の取消事由です。

この記事では、申請から許可取得までの全体的な流れを踏まえ、許可後の6か月ルールを条文と警察の案内から整理します。これから扱う物が許可の対象か迷う方は、メルカリ・せどりで古物商許可が必要になる場合も先にご確認ください。

この記事の要点

  • 許可後6か月以内に営業を開始しないことは、第6条第1項第3号の取消事由です。
  • 6か月の経過だけで許可が自動的に失効するわけではありません。
  • 平成7年当時の警察庁通達では、30日以上の休業でも届出は不要とされています。
  • 6か月以上休止し、現に営業していない場合も取消事由になります。

古物営業法第6条第1項第3号を確認する

古物営業法第6条第1項第3号は、許可を受けた者が許可を受けてから6か月以内に営業を開始しない場合、または引き続き6か月以上営業を休止し、現に営業を営んでいない場合に、公安委員会が許可を取り消すことができると定めています。

ここで重要なのは「取り消すことができる」という規定であることです。6か月が経過した瞬間に許可が自動的に失効するという意味ではありません。一方、営業をしていない状態をそのままにしてよいという意味でもなく、取消事由に該当し得る状態として扱われます。

同じ第6条には、第1号の偽りその他不正な手段で許可を受けた場合、第2号の欠格事由に該当した場合など、別の取消事由も定められています。

「6か月以内に営業を開始する」とは

条文は営業開始までの期間を6か月としていますが、何件の取引があれば開始したといえるか、いくらの売買があればよいかという一律の数値基準は示していません。営業の実態があるかどうかは個別の事情によるため、準備状況に不安がある場合は所轄警察署へ相談してください。

営業開始に向けては、許可取得後に行う準備を確認し、営業所での標識の掲示、取引時の古物台帳への記載、買受け時の相手方の本人確認など、営業方法に応じた義務を整えます。

形式だけを整えれば足りるとは限りません。営業実態に関する判断は、取扱形態や準備状況を伝えたうえで所轄警察署へご確認ください。

休業の届出は不要とされたが、6か月ルールは残る

警察庁の平成7年9月11日付の当時の通達では、法改正により旧法の長期休業の届出が廃止され、30日以上継続して休業する場合でも公安委員会への届出は必要ないとされています。

ただし同じ通達は、引き続き6か月以上営業を休止し、現に営業を営んでいない場合には、第6条の取消事由に当たることへ注意を促しています。つまり、休業届が不要であることと、長期間営業していない状態が取消事由になり得ることは別の話です。現在の取扱いは所轄警察署でご確認ください。

島根県警察の手引きには、この取消事由に該当する場合は、古物商許可の取消上申ができるよう疎明を行う、という記載があります。最終的に取消しを判断するのは公安委員会です。

取消しになるとどうなるか

許可が取り消された場合は、許可証の返納が必要になります。営業を廃止する場合を含む返納の概要は、廃業・返納時の手続きをご覧ください。

警察の欠格事由の案内で「取消しから5年」と説明されるのは、古物営業法第24条第1項による取消しです。この記事で扱う第6条の取消しと混同しないことが大切です。第6条の取消しが再取得にどう影響するかは、所轄警察署でご確認ください。欠格事由全体は古物商許可の欠格事由で整理しています。

なお、法令違反などに対しては、別の規定による営業停止命令や許可取消しなどの処分もあります。

営業の見込みが立たないときの選択肢

許可を取った後に開業が遅れそうなときは、何もしないまま期間を経過させず、現在の準備状況と予定を所轄警察署へ伝えて相談します。まだ申請前であれば、審査期間と取得時期の考え方を確認し、営業開始から逆算して申請時期を決める方法があります。

副業として始める予定が遅れている場合は、会社員・副業で古物商を始める際の注意点も参考になります。営業の予定がなくなった場合は廃業と返納を検討し、家族や従業員へ引き継ぐ場合は引退・事業承継時の許可の扱いを確認してください。

古物商許可に有効期限・更新はあるか

古物商許可には、運転免許証のような有効期限や定期的な更新手続きは設けられていないとされています。ただし、許可後も変更の届出や許可証の書換えなどの義務があり、営業開始・休止については第6条の6か月ルールがあります。

営業所の名称・所在地などの変更は変更日の3日前まで、それ以外の変更は変更日から14日以内、登記事項証明書を添付する場合は20日以内とされる手続きがあります。どの変更にどの期限が当たるかは、変更届と書換申請の期限で確認し、所轄警察署の案内を優先してください。

まとめ

  • 許可後6か月以内に営業を開始しない場合は、第6条第1項第3号の取消事由に当たります。
  • 6か月以上営業を休止し、現に営業していない場合も同じ取消事由です。
  • 取消しは公安委員会が「できる」とする規定で、6か月の経過による自動失効ではありません。
  • 平成7年当時の警察庁通達では30日以上の休業でも届出不要とされますが、現在の取扱いは所轄警察署へ確認します。
  • 営業の予定がなくなった場合は、廃業と許可証の返納を検討します。

よくある質問

許可を取ってから6か月以内に営業を始めないとどうなりますか?

古物営業法第6条第1項第3号の取消事由に当たり、公安委員会は許可を取り消すことができるとされています。6か月の経過だけで自動的に失効する仕組みではありません。

1か月以上休業するときは届出が必要ですか?

警察庁の平成7年当時の通達では、30日以上継続して休業する場合でも届出は不要とされています。ただし、引き続き6か月以上営業を休止し、現に営業を営んでいない場合は取消事由に当たります。現在の取扱いは所轄警察署でご確認ください。

営業の予定がなくなったときはどうしますか?

古物営業を廃止する場合は、許可証の返納などの手続きが必要です。事業承継を考える場合は、現在の許可名義や後継者の許可取得を含めて早めに整理してください。

古物商許可に更新はありますか?

古物商許可には、運転免許証のような有効期限や更新手続きは設けられていないとされています。ただし、変更届や許可証の書換えなどの義務と、営業開始・休止に関する6か月の取消事由は続きます。

次の進め方

ご事情に合う進め方を選べます。

ご自身で必要な準備を確認する方法と、行政書士へ相談する方法のどちらも選べます。

ご自身で準備する

営業開始前に必要な標識、台帳、本人確認などを順に確認できます。

許可後の準備を確認する

行政書士に相談する

地域や希望する対応内容から相談先候補を確認できます。

条件に合う行政書士候補を確認できます

対応可否や費用は各事務所へご確認ください。

監修者:特定行政書士 竹内 聡貴(たけうち としたか)

タケウチ行政書士事務所 代表。日本行政書士会連合会 登録番号19260966号/大阪府行政書士会 会員番号007757号(旭東支部所属)。特定行政書士として、建設業許可・古物商許可・在留資格・補助金申請など幅広い許認可業務に対応。会社員として総務・経理を10年以上経験した実務知識を活かし、法人の実情に即した提案を得意とする。

事務所サイト:https://office.take.osaka.jp/

本記事は一般的な情報提供を目的としています。営業開始・休止の実態や許可取消しの判断は個別の事情によって異なります。現在の取扱いと必要な対応は、所轄警察署へご確認ください。